<ほんあんです>+ほとんど、そうさくにちかくなってきました…。

【お隣のちっちゃな妹】 ( げんさく:は、某外国の方です。 )


 衝撃の、対面




「いったい、どこにいってるんだ、スティーブは!」 ティムはリックにぶつぶつと、こぼしていた。…これでもう4日目だ。

「知らないぜ、まるきり。 あいつ、最近ずっとすぐ家にまっしぐら、みたいだな…なにやってんだ?」

「…それはこっちが知りたいよ! 相談したいことがあるときに限って、これだもんなぁ…。あ〜あ。仕方ない、家に帰るよ。外出禁止令を破ったら、今度こそ、ぼくは両親に殺されちまうからね。」

「まぁた、自分の妹をなじってるな…もっとも、あれ、がまんできないのは、わかるけど。損するのは自分なんだから…じゃ、また明日学校でな。」

ティムは家に向かい、あっという間に自分の部屋に駆け上がる。

ばさっと鞄を放り出し、普段着に着替えたとき、ティムは誰かが階段を上がってくるのを耳にした。それは自分の父親の足音に似て、ゆっくりとしていた。ティムはそれが自分のドアの前を横切り、浴室に向かったのを聞いた。

「…おかしいな。」 そうティムは思った。

…両親は家の近くのドラッグストアを経営しているから、昼間帰ってくるのは、よくあることだ。しかし、ティムの父母の浴室・トイレは1階にある。寝室もそうだった。しかも、2階のトイレは浴室・洗面所とひとつながりのため、少し使いにくい。だから、2人とも2階の浴室を使うのはめったにない。

「ふむん…あ、そうか…下のをママが使ってるんだな、きっと。」


しばらく時間が経った後、ティムのトイレの欲求はどんどん大きくなっていった。彼の父親がそんな長く入ってるわけがない。…いったい、浴室に誰がいるのか。その疑問が、ティムの膀胱と同じくらい膨らんでいく。

両方の欲求にガマンしきれず、ティムは浴室へと歩き出した。彼は自分が下へ行く意味はないと思っていた。…というのも、誰かが上に来ている、ということは、下はきっと誰かが使っているはずだからだ。

さらに数分が過ぎた。ティムは、そこにいる‘誰か’に、自分がだいぶ催してきていることを伝えようを決心した。かれはホールにのろのろと進んでいった。

途中、そお〜っと彼の妹の部屋を横切る。ティムは、妹を起こしてしまったときの両親が与えた罰の大きさをまだ覚えていた。…しかし、なんであそこまでひいきするんだろう? …今は、それどころではないのだが、ついつぶやきが漏れる。

ティムは、浴室の閉まったドアに耳をそばだてる。彼はなにかが動く物音を聞きつけた〜それは動き、というたぐいの物ではなかったが〜。彼は優しくドアをノックする。

反応がない。

もう一度、こんどはちょっと強めに。…ふいに、動いている音が止まった。しかし、それでも反応がない。ティムは、思い切って声をかける。

「…あのう…パパ? ぼく、もうほんとに我慢できないんだ!」  …反応なし。
「…なんでそんなに長いのさ? お願いだよ、もう、でちゃうよ!」

ティムはドアの向こうでなにかが動くのが聞こえた。がちゃり。ロックがはずれる音。ドアがゆっくりと開いていく。ティムはドアノブのところから、ゆっくりと上を見上げていた。

しかし、そこに見えたのは、178cmの父親の胸ではなかった。

…ティムが見たのは、明らかに女性の胸元だ。彼の眼が、ゆっくりと、さらに上へ上へと上がるにつれ、彼のあごはどんどん下に落ちていき、唇が大きく開いていく。

父親の親しみある緑の眼に代わって、彼は、見覚えのあるやっかいな、褐色の、妹の眼に出くわした。

「あら、あら、こんにちわ、おちびのお兄ちゃん!」 ハスキーな声。…おしゃまな、父母に甘える子どもじみた声とは対照的だ。

ティムは息を飲む。

「あ、あ、ハ、ハイ、…」 やっとのことでかすれた声を出す。

「あ、そだ、あのね、もしかして知ってる? ママって、ボディソープの補充ボトル、どこに置いてたっけ? ほら、ね、これもう空なの。…あたし、昨日とってもすごいことがあったんで、もう汗まみれで、べたべたしちゃってぇ…」

「あ…え…ええと、あ! そうだ! あの、ほら、せ、洗面棚のう、上じゃなかったっけ?」

ティムは、その大きな、大きな女性が、いとも簡単に棚の上に手を伸ばし、ボトルをひょい、とつかむのを見つめていた。ティムなら踏み台を使うか、トイレに直接立ち上がらなければならない…。

その後、彼女はティムの真正面に立つように身体を動かした。肩にかかる、さらりとしたブロンドの髪。つん、とコケティッシュに突き出た鼻。そして、切れ長の褐色の瞳。…確かに、妹だった。その、途方もない巨大な姿を除けば。

彼は、目の前にそびえ立つ妹の姿を、信じられない思いで、びくびくしながら見上げていた。

今度は彼女がぐい、と自分の身体を押しつけてきた。そのため、ティムは後ずさり、首を思い切り後ろに曲げ、頭をせいいっぱい上に向けなければならなかった。もしそうしなかったら、彼はきっと、妹のとてつもない大きさのオッパイに窒息させられていただろう。

ティムの妹は、その大きな身体を、バスタオル2枚で隠していた…ティムが使えば1枚で胴体がほとんど隠れてしまうそれを、トップとボトム別々に遣って。それも、トップのほうは、すさまじい胸の膨らみのせいで、ぱんぱんに張りつめていた。

唖然とする兄の姿を見て、くすくすと笑う。その動きで、豊満バストが、ゆっさ、ゆっさと揺れ動き、その揺れはなかなか収まりがつかない。

「あのう、お兄ちゃん…気にしないでくれると、いいんだけど…あたし、お兄ちゃんのちっちゃなスウェットシャツ、びよんびよんに伸ばしちゃって…。たぶんちょっとだぶだぶに、なっちゃってるかも…。ちょっとだけ、無理に着っぱなし、しすぎちゃっのかもしれなくてぇ…」

「あ…、ああ…そう、う、うん、それ、ど、どうなったか、み、見ておくよ。し、心配しなくて、いいから。」

ティムは思わず股間を押さえながら、話していた。その緊張は、おしっこのものなのか、それとももっと別の理由なのか、彼にはわからなくなっていた。
その様子を見て、また、妹がいたずらっぽく笑い、今度は、わざと自分の巨大すぎる双乳を左右に揺さぶる。

「あら…んふん…お兄ちゃん、それ…早くシちゃった方がいいかも。…あたしの方は、もう心配しなくて、いいから。…じゃね」

そうして、自分の‘ちいちゃな’妹が、身体をかがめてバスルームの中に入っていき、ドアを閉めるのを、ティムはなすすべなく見つめていた。

ティムはちびってはいなかったが、やっとのことで、用を済ませる。トランクスから取り出したそれは、かちかちにこわばり、固くなっていた。

奥の浴室から、シャワーの音がする。そぉっと更衣室のドアを開けると、妹がこちら側の明かりを消していったので、すりガラス越しに、シルエットが見えた。肩口のあたりが、ちょうどドアのてっぺん辺りにあり、頭の陰はまったく見えなかった。

ランドリーバッグをのぞき込むと、ティムのお気に入りのスウェットが、くしゃくしゃに丸められて入っていた。上のほうを取り出してみると、妹の言うことが間違っていないどころか、それ以上であることを思い知った。

もっとも悲惨なのは、襟ぐりと上腕のところだった。…繊維が伸びきるどころか、ところどころ千切れ、裂け目ができていた。裏返すと、胸の部分は、巨大乳房の膨らみに負け、大きな窪みになっていた。

彼は、用を済ませたにもかかわらず、股間が痛いほどにこわばっているのに気がついた。…心臓も驚くほど激しく鼓動し、それ以上に、自分のこわばりに血流が集まってくるのを感じていた。

この…伸びきり、裂けてしまったシャツ。胸元が信じられないくらいに、たるみ、まあるく窪んでいる。…すさまじい大きさになった、妹。…その胸の盛り上がりといったら…。

我に返ると、すりガラス越しに見える、巨体。シルエットでも、バストの膨らみが、ぶるん、ぶるん、と揺れているのがわかる…。

すごい、からだ、になった妹。…しかし、その巨大なからだに備わった力を、自分に使われたら…。

ごく、とつばを飲み込むと、自分の部屋にすっ飛んで戻り、毛布の下に潜り込むティム。…股間のこわばりは、縮むどころか、ますます勢いを増している。ティムはなにも考えられなくなっていた…。


その晩、ティムは一睡もできなかった。…妹が、あっという間に自分の部屋に飛び込んできて、彼をひっぱたき、ぶちのめす…あるいは、相対的に小さくなってしまった、自分の身体を、妹が思うままにもてあそぶ…。そんな光景が頭の中を交互に行き来する。

…自分の頭2つ分は、背が高くなり、しかもがっしりした体つき。おまけに、モリィにだって、負けないくらいの、あのバスト…。あの、大きさ。あの、からだ…。かわいいけれど、ローラなんて、お人形さんみたいだ…

こんなときだからこそ、ティムは、自分が興奮している、その感情の源がなんなのか、気づいてしまっていた…。しかし、それは‘自分に優しい’友だちの姉、ではなく、自分の‘天敵’だということも、はっきりと意識しながら。


翌朝、ティムはとても早いうちに学校へでかけた。今朝、妹と折り合いをつけるすべはまったくなかったからだ。

彼の妹は早起きではない。だが、小さく、やせっぽちだった、ラピッドモップの時でさえ、朝彼女といっしょにいるのは危険なことだった。…今や、どんな兄妹の危険が彼を待っているのか、誰にもわからない。

ティムが一番最初にしたことは、スティーブを捜すことだった。

しかし、教室という教室を回っても、スティーブは学校にいなかった。それでも、何人かと話をして、彼とその周りで起きていた最近のことがわかってきた。

それ以前に、きのう、自分の妹の豊満な巨体を見て、頭の隅で、ひとつの回路ができあがっていた。それはとても奇妙な体験だったが、ティムは、彼を捜しているうちに、それが単なる直感から、はっきりした‘答え’になるのを感じていた。

スティーブ。

遺伝子の研究をする両親、それに負けず劣らずの頭脳。そして、妹にぞっこん、という素朴さ。ここしばらく、両親の手伝いをしている、という話。最近の直帰。
…そして、モリィのあの晩のできごと以来、自分が相談しようとしていたこと。クラスメートが目撃した、妹と彼のやりとり…

スティーブだけが、十分に頭がよく、素直で、そして、妹にあんな力を与えてしまうほど馬鹿な、たった一人の人間だった。

しかし、ティムが願ったのはただ一つ、スティーブの無事だった。妹は何かやれることがあれば、なんでもやる人間だったからだ。

1時間目が終わった。

勇気を奮い起こし、ティムがスティーブの教室〜つまり、それは妹も、そしてローラがいる教室、ということだ〜に向かう。なぜか、落ち着きのないざわめきが体育館のほうに移動していた。

そしてかの教室から、おびえたような表情で先生とアシスタントが出てくる。その会話から、妹の姿がどんな事態を引き起こしたのかがよくわかった。…あのざわめきは、たぶん次が体育で、更衣室に向かった妹が騒ぎを広げている証拠だ。

彼がスティーブのことを尋ねると、呆然とした2人から聞き出せたのは、どうやら彼が一日欠席になった、ということだった。

じつはスティーブは、ティムの妹・リナとの研究室の出来事で完全に消耗しきっていて、ベッドから出ることさえできていなかった。

それを知らないティムは、最悪の事態を恐れ、授業をすっぽかしてスティーブの家に向かった。

スティーブの両親は共働き。しかも研究者という職業柄、帰るのも不規則だ。
そんなわけで、彼は家で一人きりだった。。

ティムは、ベッドに腰掛ける彼の無事〜疲れ果てていても、そう言えるのかどうかは脇に置いて〜に、ほっとしたとたん、矢継ぎ早に質問を浴びせかけた。

「いったいぜんたい、どうしたんだい!? キミのせいだろ?! …妹は…もともとが‘ガキ大将’だったんだぞ! 今じゃあいつは‘どでかいガキ大将’さまだ! …ああもう、ありがたいことで! ぼくはいったいどうすりゃいいんだよ? ぼくたちだってそうだ! どうする? …どうすればいい?」

「ぼ、ぼ、ボクだって、彼女があんなに大きくなるなんて思ってなかったんだ…」

「やっぱり、そうか。 で、なにがあった?」

「わからないんだ! 彼女が自分の血液のサンプルをボクにくれて、ボクは彼女の体重がどれくらいか聞いた。それで次にわかってるのは…薬を飲んで…彼女がでっかくなってたんだよ! ボクの計算に基づけば…きみの妹はあんなに大きくなるはずがないんだ! 彼女はぜったい、ボクらの誰よりも大きくなるなんてことは、決してないはずなんだ!」

「血…液? キミの、薬には、血液が、必要なのか?」
「…あ、うん、そ、そうか…君たちには、あんまり詳しく言ってなかったね。そうなんだ。ボクが改良したGSは、その人の血液の中から成長因子を取りだして、その機能を増幅させるんだ…」

ティムとスティーブは座り込み、次善の策をじっくり考え、次にどうするかを決めようとした。

ある考えが、ティムの頭にひらめいた。

「ところで…いったいぜんたい、君は彼女の血液をどうやって手に入れたんだい? 彼女は死ぬほど針をこわがるし、おまけに、血管だってぜんぜん見えないだろ?」

「し、知らないよ。でも彼女は持ってきたよ。ボクたちがパパの研究室に着くときには、もうサンプルを持ってたんだ! ナ、ナプキンを…」

それがきっかけで、きのうのできごとを思い出し、顔を赤らめてしまう。
しかし、ティムは、別のことを考えていた。

「…おかしいな。スティーブ、思い出してくれ。…いったい、どうやって君はそれが彼女の血液だって事を知ったんだい?」
「…え? だ、だってその…ナ、ナプキン、だよ? その…女の子の…」
「あいつのは、たしか…先週はじめに終わってる…それが元で1週間の外出禁止を食らったんだから、よく覚えてる。…持ってきたのが、ナプキンでも、血液があいつのであるはずが、ない。」

スティーブは、そのことを確認をしていなかったことに気がついた。…それじゃ、誰の? 

…血液型は同じ、だった。成長因子に関連するDNAも、彼女がちゃんと〜予測した以上に〜成長したことから、一致していたことは確かだ。…わからない。だが、なにかが、おかしい。

そんなスティーブの困惑をよそに、ティムは、スティーブに頼み込む。

「…わかった。と、とにかく、そのGSをぼくにも作ってくれないか? …そうすれば、これ以上あいつに怯えずに済む。それに…」(大きくなれば、モリィにも…)

その後のせりふを飲み込んで、スティーブに迫る。…しかし、スティーブは、一人物思いにふけっている。

「…そ、それが無理なら、せめて、逆GSみたいなものを作ってくれよ? な、スティーブ?」

必死になって頼むティム。…しかし、スティーブは、自分の考えの中にどんどん沈んでいく。…こうなると、もう誰にも止められないことは、付き合いの長いティムがいちばんよく知っていた。

「…血液を、くれないかな、ティム? ほんの少しでいいんだ…」
「え、じゃ、じゃあ、やってくれるのか?」
「…うん、ちょっと確かめたいことが、あるんだ。少し時間をくれる?」

視線も合わせず、そうつぶやくスティーブ。…ティムは、これから家で始まる、自分の恐怖の日々のことを思うと、背筋が寒くなっていた。が、この天才肌の少年がなにかを始めようと決意したときには、誰もそれを止められないこともよく知っていた。

ティムは、意を決したように立ち上がると、まだなにか考えにふけるスティーブに向かって言った。

「…わかったよ。えーと…ガーゼをくれないか? カッターは、どこ?」






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