おおきな、ロシアから来た留学生のおはなしを、きゃべったさんからいただきました。ありがとうございます。
【ロシアからの、留学生】 さく: きゃべったさん
その3
あの屋上での告白から2週間ほどたった、土曜日。
僕は地元では有名な待ち合わせ場所の、駅前にある戦国武将の姿をした石像に寄りかかり立っていました。
視線を上げて石像の向側に見える駅の時計を見ると、時刻は10時を20分ほど回っています。
「ティーナさん、遅いなぁ…」
ついつい無意識にそう呟いでから、ハァ、っと溜息をついてしまいました。
なんで僕がこの場所にいるのか。実は今日は、ティーナとの初デートの日なのです。
それなのに、待ち合わせの時間になってもティーナは現れません。
『十時丁度に、駅前の石像の前で待ち合わせだ。いいか修弥、絶対遅刻しては駄目だぞ…』
昨日、頬を赤く染め、恋する乙女のように恥ずかしそうな表情をしたティーナに約束させられたのですが…
いまだに待ち合わせ場所に現われません。
おかしいです。ティーナは本当に真面目な子ですから、遅刻したりとかしないはずなのですが。
………これはもしかして、彼女は何か事件を起こしてるのかもしれません。
ティーナは人一倍無口で、クラスでも僕以外の人とはほとんど話しませんから、とてもクールで冷静沈着に見えます。
でも、付き合いだしてから、分かったことですが、意外とおっちょこちょいなトラブルメーカーなんです。
そういえば…そう、このあいだも。
僕が後ろからティーナの名前を呼んだ時のことです。彼女がくるり、と振り返ったら、たまたま隣を歩いていた柔道部の顧問(元オリンピック100kg超級の選手)を、その、胸板から1m近く飛び出した巨大すぎるメガトンバストで軽々と吹っ飛ばしてしまいました。
しかも5mほど吹っ飛んだ先生は完全に失神しちゃってて…
ティーナが急いで保健室へと運び、軽い脳しんとうと診断され、ほっとしたのですが、あきれた表情をした保健の先生に何故か僕も一緒にお説教されてしまいました。
(この前のときもそうでしたが、どうやら、なにかあると保健室に駆け込んでいるみたいで、保健の先生とはずいぶん仲良くなってるみたいです…)
それ以外にも、木から降りられなくなっていた子猫を助けたのはいいんですが、誤ってその爆乳の谷間に落としてしまってパニックに陥ったり、
(…飼い主らしい女の子に取ってもらおうとして、あやうくその子が豊満すぎる谷間の中で“二重遭難”しかけたとか…)
公園で気分が悪くなり倒れそうになったおばあさんを抱き上げ、少し休んでもらうつもりで、抱いたままつい座ってしまったベンチをムチムチの巨尻で完膚無きまでに破壊してしまったり…
(…でも、おばあさんの体調が戻るまで体育座りしていても、下敷きになったベンチの残骸は通りすがりの人にもまったく気づかれなかったとか…)
何といいますか、とにかくその身体同様、ティーナは規格外のトラブルメーカーなんです。
そんなことを思い出して、なんだか嫌な予感が強くなりました。
僕は携帯電話を取り出して、ティーナの携帯へ掛けようとボタンに手を伸ばします。
その時。
ドドドドドドドドドドド………
遠くから地響きが聞こえ、そして微妙にですが地面が揺れたのを感じました。
僕は慌てて音のした方向を見ます。僕以外にも、不審に感じた人たちが何事かと同じ方向を見ています。
音が近づいてくるにつれ、地面の揺れも大きくなります。そして僕の視界に、信じられない速度でこちらに向かって走ってくる彼女の姿が飛び込んできました。
周りの人たちがすべて子どもか幼児にしか見えないほど遠近感を狂わせる、とても巨大な身体。その中でも彼女のチャームポイントであるアドバルーンのような巨大な胸が、まるでティーナとは別の生き物のように、ブルン、ブルン、と上下左右斜めに揺れています。
…あれ?なんだかいつも以上に大きくて、激しく揺れているように見えますけど…?
ともかく、向かってくるティーナの身体が、一歩ごとにその大きさを増してきます。それにつれ、彼女の顔を見ようとする僕の視線は自然と上へ上へと向いていき、やがて首が痛くなるぐらいの角度になるころ、ようやく視線の上昇が止まります。
待ち合わせの時間から三十分ほど経った今、ティーナはようやく僕の目の前に辿り着いたのでした。
「すまない修弥、私の方が遅刻してしまった………」
ティーナは、全力で走ってきたはずなのに額にうっすらと汗をかいているぐらいで呼吸一つ乱さず、
眉をひそめ本当に申し訳なさそうに頭を下げてくれます。
でも……
「…修弥?」
「…………はい!?」
ティーナの問い掛けで、僕はようやく反応しました。一瞬僕は、ティーナの声が聞こえていませんでした。
「どうしたんだ修弥。なんだかボーっとしていたみたいだぞ?」
ティーナは突然身体を屈めると、とても心配そうな表情で僕の顔を覗き込んできました。
美しく整ったティーナの顔が息のかかる距離にまで近づいてきて、宝石のアクアマリンを思わせる大きな蒼色の瞳がジッと僕を見つめてきます。
………だ、駄目です。こんな綺麗な瞳で見られたら、誤魔化すことなんて出来るわけありません。
僕はまるで魔法にかかったかのようにその瞳に魅入られ、自然と微笑みながら正直に答えてしまいました。
「ご、ごめんなさい。ついティーナさんに見惚れちゃって…」
「見惚れ…なんだって?」
ティーナは、軽く首をかしげ、? という顔になりました。…言葉の意味が、わからなかったのかな…
クラスでも、ときどきこういうことがあり、そのたびに僕が国語事典を引きながら説明していました。
…きっと今も僕が説明してくれると思って、さらに、じっ、と僕を見つめてくるんです。
そういうときの、無邪気な表情も…なんて素敵なんだろう…かあーっと、頬が熱くなってきます…
「あ、いや…見惚れちゃう、っていうのは…えーと…その、あの、ティーナさんが、あんまりすてきなので
…えっと、ついつい自分のことを忘れて見つめちゃったままになっちゃう、っていう…」
「えっ!?」
今度は、ティーナの顔が一気に真っ赤に染まりました。それはもう…まるで、ゆで蛸みたいに赤々と。
そうです。僕は今、ほんとうにティーナの姿に見惚れていたのでした。
…でもこれは仕方ないと思います。というかどちらかといえば、僕よりティーナが悪いんですよ…。
だって今日の彼女は、これまで学校で見ていた清楚な制服姿とは違い、ジーンズ生地のホットパンツに薄手の黒のタンクトップという、とてもワイルドで、そして僕好みの服装でこのデートに現われたのですから。
普通のパイプ椅子など簡単に押し潰してしまう巨尻を無理やり収めているホットパンツから、片方だけでも僕一人では手を回しきれない、筋肉の塊りで出来た巨木のような足が二本、物凄い存在感でどっしりと伸びています。
一方タンクトップの方も、市販されている一番大きなサイズのはずなのに、山のようにグッと盛り上がっているバストの大きさが凄すぎるためか、全く丈が足りずに乳首がギリギリ隠れているといった状態で、白い巨大な胸の下3分の1辺りから下、筋肉でクッキリと割れた逞しい腹筋までがしっかりと見えてしまっています。
いつ見ても凄い膨らみ……あれ? 「見えて」いる?
…そういえばいつも以上に大きく見えますし、さっき走っていた時も揺れ方が普通じゃなかったような。
話題が話題ですし、ティーナを見つめている周囲の人たちには聞こえないよう、いまだに顔を真っ赤にして動揺からモジモジオロオロしているティーナのタンクトップの裾を引っ張り、小さな声で聞いてみました。
「ティーナ、もしかして今日ブラジャーしてないんですか?」
モジモジしていたティーナの動きがピタリと止まります。
「わ、わかるのか修弥?」
「その、やっぱり学校で会っている時より大きく見えますし、揺れ方も凄かったですから…」
苦笑しつつポリポリと頬を掻きながら、ティーナを見上げます。
そのティーナの顔は…ああ、これまで以上に真っ赤になっています。
「…実は今までのブラが、とうとう私の胸に耐え切れなくなって…な」
「え? 壊れちゃったんですか?」
「ああ。私に合わせてワイヤーなどを強化した特注品だったのだが…」
そういえば、確かに以前屋上で見た彼女のブラジャーは、分厚い生地に沢山のホック、それに太いワイヤーでおもいっきり強化されていました。
あれだけ強化されていたブラジャーが壊れるなんて…一体どれだけの力がブラジャーに加わったんでしょうか。
「えっと…ティーナさん、予備は無かったんですか?」
「いくつかあったのだが…それもここ数日で全て壊れてしまった。一応大きいサイズの新しい物を注文しているのだが、着くのはたぶん明日だろう。確かに最近、ちょっとキツイと思っていたのだが………どうやら、また育ってしまったこの胸にはあのブラでは小さすぎたようだ」
そう言って、ティーナは悪戯っぽい目で僕を見下ろしつつ、その巨大な胸を僕の腕の何倍もありそうな太腕でタプンッと持ち上げ揺らしました。
ブラに拘束されていないその胸は、ティーナが腕をどかした後に、ぶるんぶるんと上下に大きく揺れ続きます。
ゴクリッ…僕は息を飲みました。ティーナには毎日会っていますし、それに告白をした日には、何も身につけていない彼女の姿を見たこともあります。ですが………そんなことが関係ないぐらい、ド迫力で揺れるティーナの胸に、僕はただただ魅了されてしまいました。
そんな、呆然としながら見上げている僕に、ティーナは16歳という年齢相応の可愛らしい笑顔を向けました。
「ふふふっ。修弥、私の身体はもっともっと成長するぞ」
「え?」
「私の夢は、修弥といつでも一緒にいられるように、この胸の谷間に修弥の身体を埋め込めるぐらい、大きくなることなのだからな…」
ティーナは笑顔を浮かべたまま、両手を自分の腰に当てた格好で、その大きな体をグッと前に倒しました。
それにより、ただでさえ吸い込まれてしまいそうな深い胸の谷間が、顔のすぐ前にまで寄ってきます。
この谷間に、僕の身体が埋まるぐらい大きくなる。…ティーナは一体、どこまで大きくなるつもりなんでしょうか。
そんなことを考えながら、声も出せずに立ち尽くす僕を、ティーナは突然軽々と持ち上げました。
僕の身体があっという間に彼女の頭上高く浮き上がります。僕の両脚は、1m以上地面から離れてぶらぶらしています。あわてて辺りを見回すと、3m近くある戦国武将の顔がすぐ近くに見えました。
「ティ、ティーナさん?」
「修弥が私のことを“見惚れちゃう”のも嬉しいが、いつまでもそれでは、な。私たちは恋人同士なんだから、もっと近づいたっていいだろう?」
次の瞬間、僕の顔はタンクトップ越しにティーナの爆乳に埋め込まれました。
何度経験しても慣れることの快感が、顔から全身に広がります。
ティーナの巨大さ、柔らかさ、逞しさ、そして優しさ………その全てを、僕は全身で感じとっていました。
「こうやって修弥を抱きしめていると、本当に落ち着くのだ。こんな化け物みたいな私を、好きでいてくれる存在…修弥、私はお前のことを、心の底から愛しているからな」
「…ふぃーな……ふぁん…」
それから1分ほど僕を抱きしめた後、ティーナはゆっくりと僕を降ろしました。
「さて予定より遅れてしまったが、そろそろ出かけるか。今日は私達の初めてのデートの日だからな」
「あ、うん。でもティーナ、これからどこ行くのか決まってるんですか?」
ちょっと世間知らずで、しかも日本に着たばっかりのティーナです。そもそも、デートをするのも初めてでしょうから…一体どんなプランを立てているのでしょうか?
「ふふふっ、心配するな修弥。まずはこっちだ」
ティーナは訝しがる僕の手をとって、引き摺るようにして歩き出しました。
あうううう…本当に大丈夫なんでしょうか…