【香織と僕】その9


「…あの、胸、は、測るけど…」
「…うん。…ね、陽くん…こんどは、どうすれば、いいの?」
その大きな身体を横たえたまま、顔だけを持ち上げて僕を見ながら、香織が聞いてくる。

頭を上げたときに、香織は同時に肘を使って上半身をやや浮かせる格好になる。…そうしないと、胸にじゃまされて僕のことがよく見えないんだろう。そのせいか、ちょうど腰のあたりにまで持ち上がっている、ロングトレーナーの裾がさらに上に持ち上がり、猛烈に膨らんだ巨大な乳房の下側がむき出しになっていた。その部分だけを見ていると、まるで2つの特大プリンかババロアにコットンの布きれをかぶせてあるように見えた。…それが、香織が身じろぎするたび、ぶるん、ぶるん、と揺れている。

「…え、ええと…あの、あんまり動かないで。まずは、アンダーから測るけど、いいかな?」
「あ、…ごめんなさい…。」
「じゃ、ちょっと背中、上げられる? メジャー、通すから…」

香織は肩を支えにしながら、背中を軽く反らして床との間に隙間を作ってくれる。…その動きで、またさらに裾がまくれて、トレーナーがどんどん上にずり上がっていく。さすがに、香織も自分の胸が露わになるのに気づき、あわてて、裾をおさえつける。そのため、かえって豊満な乳房の膨らみが強調され、さらにそのてっぺんにある柔らかな先端が、生地越しにふっくらと盛り上がっているのがはっきり目立っていく。

そのとてつもない膨らみから目を離せないまま、ぼくは彼女の右側にひざまづき、床と背中の間にメジャーを差し入れる。…が、あまりにも大きく成長した胴体のために、そこからでは、背中の向こう側に手が届かない。
「…ごめん、ちょっと身体、またいじゃうけど…」
「?」

そのまま立ち上がり、せぇの、とかけ声をかけながら、香織の胴体をまたぐ。大きな2つの山脈が視界の大半をふさぎ、その先に、香織の顔があった。彼女は頬を赤く染めながらぼくを見上げていた。…恥ずかしさと不安とが混じり合った表情が、なぜか、ぼくにはとてもエッチに見えた。

安心させるように、ぼくはにこっ、と彼女に笑顔を見せ、話しかける。
「オッケー。ありがとう。…いやぁ、ここで間違ってコケたって、キミみたいな大きなクッションがあれば…だいじょうぶ、だね」
「…え? やだ…もう」

ぷっ、と、頬をふくらまししかめ面をしたかと思うと、香織も笑顔を返してくれた。これでずいぶん緊張が解けたようだ。

彼女のお腹の上にかがみ込みながら、左の脇の下にのぞくメジャーの先端をつまみ、そのすべすべした胴体の、豊満な2つの膨らみの付け根に回していく。するするとメジャーが肌の上をすべっていくと、彼女はくすぐったいのか、軽く身悶えする。…その動きでまた、胸板からそびえ立つ肌色のカタマリがゆさゆさと震え、裾を押さえたコットンの生地がその膨らみの大きさをさらに強調する。

メジャーが重なったところの目盛りは…1m10cm。

ウエストとの差は30cm近い。だから、ウエストがものすごく細く見える。しかし、巨大なボディの絶対値からすれば、そこだけで、ぼくの胸周りよりちょっと小さい程度だ。…それに、巨大なバストであまり目立たないが、その下の胸板の筋肉がかなりの厚みをもっているのに気がつく。その胸の上にある2つのすさまじい大きさの膨らみが、横になってもあまり潰れているように見えないのも、この胸筋がしっかりとその膨らみを支えているからなのだろう。

それにしても、その大きな膨らみが、いったいどのくらいあるのか…。しゃがんで、目盛りを読んでからふと目をあげたとき、まん丸いものが視界を塞いでいるのを目の当たりにして、ぼくは改めてそう思った。

「ごめん、メジャー動かすから、また背中、持ち上げて…」
「…は、はい…。 あ…あん…く、くすぐったい…」

引き抜く間、メジャーが両脇をくすぐるのか、香織は身体を小刻みにふるわせる。それでまた、大きな胸がぶるん、ぶるんと揺さぶられる。彼女の身体をまたいでいるため、すぐ間近でその豊満な膨らみが揺れ動くのを、文字通り全身で感じ取っていた。なぜか恥ずかしさで顔が上気してくる。

「あ…その、ご、ごめん。…もう、いいよ。」
「えと…こんどは、と、トップ、測って…くれるの?」
「あ、あの、…ええと、やめとこうか?」
「…え、えと、…あの、その…ちょっと、恥ずかしい…けど、だいじょうぶ…」

それでも、さっきから〜もう‘ロング’ですらないが〜トレーナーの短くなっている裾を両手で引っぱったままなんとかして大きなオッパイを隠そうとしている。

ぼくは、その太い腕と脇の下の間からメジャーを上に持ち上げると、限界まで引っぱられているトレーナーの上に回していく。まあるい膨らみの両側から上にメジャーを持ち上げるときには、その巨大な山にさわらないように、両腕を精一杯広げなければならなかった。

トレーナーの生地越しに張り渡していくと、メジャーの目盛りの数字はどんどん大きくなっていった。

100…120…140…。 生地を盛り上げている乳首の部分を通り過ぎる。 …150…155…160…。

やっとのことで、胸の真ん中あたりでメジャーを合わせる。 …そこで、ぼくは、息を飲んだ。

1m72cm。

アンダーバストとの差が、なんと62cm。 その巨大な身体を考えに入れたとしても、すさまじい大きさには間違いない。…身長175cmの女性だと、なんと118cmもの大きさになる。

その豊満な膨らみにさわらないよう、おっかなびっくりでメジャーを回していたぼくは、その大きさに驚いた拍子にバランスを崩し、中腰の体勢のまま、ゆっくりと前のめりに倒れていった。

ぽふ。ん。    …ふしぎな音とともに、ぼくの上半身は、香織の胸に着地した。

「え?…きゃっ…」


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