<ほんあんです>+ようやく+そうさくいり。
【お隣のちっちゃな妹】 ( げんさく:は、某外国の方です。 )
ローラ、決心する
…‘距離’。
自分より20センチも高い身長。自分では足下どころか、おへそも見えなくなるような、とてつもなく大きなセーターの胸の膨らみ。そして、穏やかで優しい、文字通りのレディの美しい笑顔。
…モリィは、ぼくのにぎやかなクラスメートの女の子とは、まるっきり違う、もう、身体も心もすっかり‘大人’の女性、なんだ。
それにくらべて、ぼくは…。 ぼくは、文字通り‘背伸び’していたのか…。
「…わかったよ。…くそ、馬鹿みたいだな、ぼくは。…ぼくは、たぶん、きみがぼくを好きだって…そう、思いたかったんだ…」
「もちろん、キミのこと、好きよ。…でも、ごめんね、ティム、それって、もしあたしが、あたしに魅力を感じてる男性のことを好きになったとき、感じるものとは、全然違うのかもしれない。」
「…そう、そういうことなんだね。」
「ティム、あなたは、ステキな男の子! それに、あたしの大好きな親友。でも、ちょうど今は、人生の中で、おんなじ処には、いない…。」
「あ…ああ、そういうことか。…い、いや、でも…いつか…」
「…?」
「でも…いつか…、きみに追いつく! なんと言われても、…ぼくは。…い、今だって、き、きみのことが、す…」
ティムが顔を真っ赤にし、さいごは大きな声になる。 しかし…。 開きかけた唇に、モリィは、そっと、優しく人差し指を当てる。
・・・ティムの告白は、そこで途切れてしまう。 モリィは慈しむような、しかし真剣な表情で話しかける。
「…ティム。それ以上言っちゃだめ。それは、キミが言うとおり、あたしに追いついてから…。いま、聞いたって、ノー、っていうしかない。…ごめんね、愛しい妹の話までしちゃったから、なおさらよ。」
モリィは、少ししゃがむと、ティムと眼と眼を合わせて、ほほえんだ。
「そう、あなたはステキな男の子よ、ティム。…いつか、きっと立派な男性になる。ね、あたしに約束して。…あたしが膝を曲げたり、しゃがんだりしなくても、ほんとのキスができるようになったなら、戻ってきて、もう一度トライ、ね。」
じっと見つめられ、「キス」と面と向かって言われたティムは、こんどは首まで真っ赤になった。
「ぼ、ぼくだって、いつか、いまのきみのように、ぼくの方で合わせてあげるくらいに、な、なってやるさ!」
ティムが傷ついていないか、とても気にしていたモリィは、その強がりを聞いてほっとした。…だいじょうぶ。ティムは、しっかりしてる、強い子だ…。
そう思うと、また気まぐれな‘いたずら’を思いつく。
「じゃ、こんなことも、できちゃうようになって、くれるかな?」
そういうと、モリィはティムの脇の下に手を入れると、軽々とその162cm・54kgの身体を持ち上げ、塀に押しつけてみせる。
ティムは、さいしょ、彼女が自分をぽい、と放り出すのかと思い、焦り、恐れた。が、彼女はその位置からティムの身体を塀から離すと、両腕を上下させ、まるでバーベルのように、何度か自分の頭の上まで持ち上げ始めた。
持ち上げた、一番上の位置では、ティムの頭は地面から2メートル以上の高さにまで上がり、逆に、一番下でも、モリィの頭より下には降ろすことはなく、その間中、ティムの脚はぶらぶらと宙に浮いたままになる。
( …106cm・DDD。それでも、ちょっとキツいかな… )
( …腕なんか、力こぶなんか作ったら、おれよりあるんじゃないかなぁ…でさ、オッパイが…どぉ〜んと… )
ティムは、リックの言っていたことを思い出し、彼女の発達した身体のみごとな大きさと、その力強さに、ものすごく興奮しはじめる。
モリィは、そのまま‘ティム・リフティング’を繰り返す。
すると、身体を上下させられるたびに、ティムの股間は、ちょうどモリィのセーターの膨らみに擦りつけられていた。…胸板から20センチ以上飛び出した双つのミサイルに当たるたび、ティムの股間に電撃のように快感が巻き起こる。
時には上下する速度が落ち、テントを張り始めた股間が、セーターの下の丸みからその谷間に押し込まれそうになることもあった。腕の疲れか、わざとなのか…。
…ティムは快感と恐怖とを同時に感じてしまっていた。
そんなことを20回ほど繰り返すと、モリィは、眼と眼を合わせるところまでティムを降ろし、こんな話を始める。
「2年前…そう、バスケットでキミにあたしのやせっぽちのお尻のほこりをはらってもらってたときには、自分でもこんなふうなことができるようになるなんて…ちっとも思ってなかった。…キミは、どう?」
その間、まだ、ティムはずっと宙づりのままだ。…がっしりと脇の下をつかむ両腕には、筋肉がぱんぱんに盛り上がり、それはティムの腕の倍ちかくに見えた。
…しかし、さすがにモリィにも、けっこうな負荷だったのだろう。呼吸は深く、回数も多くなり、そのセーターのものすごい膨らみがティムの眼の前で大きく上下している。ほんのりと上気した顔が、さらに美しさを増して、ティムを見つめている。
ティムは、股間が濡れているのに気がついた。…しかし、それが、ちびってしまったせいなのか、軽くイってしまったためのか、よくわからなかった。また、首から顔が真っ赤に染まってしまう。
…それを見て、モリィは元気づけるような笑顔を見せると、今度は、ティムを抱きしめ、その豊満な胸の中に彼の上半身を優しく押しつける。
呼吸に合わせ、大きく上下するまろやかな膨らみ。腕の筋肉とは全く別種の弾力を通して、かなりのピッチで動く、心臓の鼓動がティムの胸にも伝わってくる。
それは、ティムを使った‘運動’のせいだけとは思えなかった。
そしてふたたび、頬に軽い、キス。…こんどは左側だ。
そのままの、モリィは、ティムの耳元に唇を寄せると、そっと、つぶやく。
「えっと、その、…これでいかがです?…最初のに比べ、ご満足いただけまして? 騎士様?」
からかうような気どった口調。…だが、とても恥ずかしそうに、モリィはささやきかける。…そこには、少し‘罪の意識’といった感情も込められている。
「…あの、…ごめんね、…今は、これが精一杯なの。さっき言ったこともそうだけど…だって、これ以上のことをやっちゃったら、あたし、きっとローラに殺されちゃう…」
ティムはモリィが何を言ってるのか、まったくわからず、ただうなづくだけだった。…それほど、モリィのエロティックな抱擁に我を忘れ、陶酔しきっていた。
モリィが身体をそっと、地面に降ろしてあげる。
「じゃね、ティム。…あの、ローラのこと、考えてね。また、遊びましょ。おやすみなさい。」
「・・・・あ、ああ、お、おやすみなさい。モリィ。」
モリィが家の中に入り、姿が見えなくなった後も、ティムはそこからしばらく動くことができない。
…モリィの‘ティム・リフティング’から、最後の‘おやすみのキス’まで。そのすごい体験で、ティムはすっかりのぼせ上がってしまい、いつまでもその興奮が収まらなかった。・・・・・・ぼうぜんとして、その場に突っ立ったままのティムを残し、夜はふけていく・・・。
…エントランスの向かいの塀の陰に、もうひとつ、ぼうぜんと立ちつくす人影があった。
ローラだった。
自分からお別れのキスをしたことに動転して、そのままティムを玄関に残したまま、ちゃんと見送ってあげもしなかったことに気がつき、あわててティムを追いかけてきたのだ。・・・そこでティムとモリィの最後の場面に遭遇してしまったのだ。
ティムのモリィへの告白(未遂だが)、モリィのいたずらと、なによりその魅力的なボディ(特に姉さんのあのおっきな胸…)にメロメロになったティム。・・・そんな光景をローラは目の当たりにしてしまった。
( モリィ姉さんは、すごく気さくで優しくて、いろんな相談にも乗ってくれる、ステキなひと。・・・・いつかあたしもああなりたい、ってホントに思ってる…。 )
( ティムのことにも、いっしょうけんめい相談に乗ってくれて。・・・・おかげで、きょうは信じられないくらい素晴らしい時間を経験できたし…。 )
( …そう。 さいしょ、モリィ姉さんと、ティムのことを話してたとき、こんなふうに言ってくれた… )
「そうね、じゃ、まずはカレのことをいつも考える。そして、それをちゃんと伝えるの…それでうまくいけば、どんどんキレイになれるよ。あたしなんかメじゃないくらいにね…ま、身体のことはさ、後回し後回し!」
でも。 ティムは…。
‘後回し’になんて、できない。 …なんとか、しなきゃ。
ローラの心の中で、ことばが、渦巻いていた。
(なんとかして…いま、すぐにでも…。 大きく・・・もっと、もっと、大きく ・・・)