【真琴と誠】
このおはなしは、わたくしのサイトに、はげましのおたよりをくださった、紅太郎さまにお贈りします。
その3)あさ。ふたたび。
朝。今日も家の近くのバス待合所で、ぼくは眠い目をこすり、こすり、して、バスがくるのを待っていた。今日は朝練がなく、いつもよりは、わりにふつうの時間に家を出てきた。
ちゅん、ちゅん。
道の向こうの電線にとまってる雀が、楽しそうにさえずっている…そんな風景を、ぼけーっと眺めていた。…と、その時。
「おっはよーっ!」
またまた、頭の上、はるか高いところから、底抜けに明るい声が降ってくる。真琴だ。
身長は、さすがに5月連休明けの身体測定のときの2m13cmから、たったの2週間しかたっていなかったので、2cmしか伸びていなかった。成長期のぼくも、どうにかこうにか、4月から6週間たったので、身長が4cm伸びて、168cmまでになってはいた。…でも、真琴との身長差は215cm−168cm=47cmと、さらに17cmもの差がついていた。
なによりも、びっくりするのは、真琴のバストだ。なんと、トップは1m50cm。アンダーバストは、ちょっと増えてちょうど100cm。ウエストも69cmなんだけど…えーっと、つまり、それって…胸の膨らみが、Pカップから、さらに4cmも増えて、ええっと…もしか…して…Qカップ…?ってこと?
…そんなこと、真琴はまったく気にしていなくて、ぼくに、またまたその制服からあふれんばかりの、
もの凄いオッパイを、ぶるるん、ぶるん、とぼくの目の前で、揺さぶっていた…。
(ぼく、いったい、どうしたらいいの?)
…頭の中が真っ白になりかけたとき、バスがのんびりと近づいてくるのが見える。
すると、真琴が、ぼくの想像を超える、とんでもないことを言い出す。
「きょうはね、部活の朝練ないから…。セイくんといっしょに、バスに乗ろうかなー、なんて…エヘ。」
〜なんでか、よくわからないけど〜真琴は、ちょっと、もじもじしながら、そう言ったんだ。
「はぁ〜?」
あわてて、ぼくは真琴にこう言った。
「あああ、あの、あのさ、真琴、き、きき、きみ、そんなおっきな身体で、その…あの、バ、バ、バスに、ののの、乗る…って…」
ぼくが、さらにあわてて、どもりながら、かろうじて声を出し終わったとき。
ききーっ。しゅーっ。
バスは、〜真琴の姿を確認していないのか〜のんびり、ぼくたちがいるバス停に止まり、ドアを開けた。
「わーい、わーい、ひさしぶりのバスだー。…よいしょ、うんしょ…」
ぼーぜんとする、ぼくを置いて、真琴は、そのすさまじい身体を、それに比べはるかに狭いドアの“すきま”に押し込んでいく。
後ろから見ても、あきらかに身体からはみ出している巨大なボインが、ぐんにゃりと、狭いバスの戸口に押し込まれていく。
…ぼくは、その豊満な身体が魔法のように狭いバスの中に入っていくのを見た後、真琴の後について、バスに乗り込んだ。
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